呉服屋さん初体験

つむぎや

初心者が半年で着付けプロデビューを目指せる
着付け塾*きもの美人道の権田ひとみです。

成人式さえも着物を着ていない、と言う友人を、
古いお付き合いの浦和の呉服屋店・
「つむぎや」さんにお連れしました。
路面の呉服屋さんて、
ちょっと敷居が高く感じませんか?

「入ってはみたいけど、
なんだか気後れして入った事がないわ・・」
なんて方に、ご参考になればと思い、
その時の様子をお伝えしますね。

読み終えたら、
きっと呉服屋さんに行きたくなること間違いなし!^^

長襦袢は洗えるように化繊が良いのですが・・・?

さて、着物も小物も、
な〜んにも持っていない友人に代わり、
「長襦袢はポリは無いかしら?」
と聞いたら、
呉服屋さんのお答えはこうでした。

「ありますよ。でも、、、」

◎絹はよほど汗かいたとき以外、洗わなくても大丈夫。

◎化繊は静電気が起きやすくまとわりつく

◎絹の着物と相性が悪く、収まりが悪い。

◎後から絶対絹が欲しくなるから、一枚は絹で作った方が良い

 

絹のチカラ

絹には自浄作用があります。
よほど汗を書いたとき以外は、
干しておくだけで大丈夫。

動物性繊維なので、
身体に良い効果もあります。

それに、、、
絹ずれの音っていうじゃないですか〜!
肌さわりも断然違います!

予算もかかるから、
友人に遠慮してあまり強くは勧めなかった私ですが、
呉服屋さんのチカラ強い説明で、
やはりそうだ、そうだとなりました。

それに、友人は最近、
絹の下着をご愛用というではないですか。

「そうよね。絹っていいわよね〜」

私の心配は無用だったようです。^^);

またそれとは別に、
お稽古用に、既成の二部式の長襦袢を購入しました。

 

汚れるのを気にしたくないから洗える綿の着物を・・・?

友人の希望は、

「あくまで普段着として着物を着こなしたい。
だから、あらたまったものでなく、
汚れるのを気にしなくて良いように洗える綿が良い。
できれば、無地で」

というものでした。

そこで、呉服屋さんの応対はこうでした。

「綿だって久留米絣なんかじゃそれこそいい値段になるし、
安いゴワゴワした綿より、お稽古するなら
軽くて着やすい大島紬はどうですか?」

(エ〜?!初心者に大島?!と内心ビックリ!!)

そう言って、
新品では有り得ないお値打ち物の
大島紬を出してくれました!

とても目の細かい濃紺の紋様で、
遠目には無地に見えます。

(新品で日本一安い大島だと思う、と社長の弁)

「泥染めで、しっかり50回は染めているから、
燃やさないかぎり、どんな汚れも落ちるからね」

とダメ押し〜!

他に、もっとお安い着物も出してはくれましたが、
友人は結局、この大島を選びました。

 

大島紬

大島紬は、着物を知らない人でも名前だけは知られているかと思います。
約1300年の伝統ある奄美大島の伝統工芸品です。

*先染め〜糸を先に染め、織り上げます
*泥染め〜奄美大島だけで行われている
天然の染色方法で、独特の黒い光沢を与えます。
親子三代着ても色褪せない、と言われます。
*種類は、染色別に7つほど分類されますが、
友人の着物は、絣糸が藍染、地糸が泥染めの、
「泥藍大島」と思われます。

 

帯は・・・お手頃2本?お気に入り1本?

帯は、うっすら紫を感じる植物柄の名古屋帯と、
グレイッシュな地色に紫のウロコ模様の
柔らかい染めの洒落袋帯を出されました。

名古屋帯

名古屋仕立ての帯は、
あらかじめ胴に巻く部分が半分の幅に縫われており、
背中の「お太鼓」と呼ばれる四角い部分は一重です。
初心者でも結びやすく、気軽に用いれます。

袋帯・洒落袋帯

袋帯は、長さが4M以上で、
もともとは面も裏もない丸帯を簡略したものです。
当初は袋状に縫われたので「袋帯」と呼ばれます。
幅31センチほどの帯で、
胴に巻く部分を折って使い、お太鼓部分は二重になります。
金銀の糸で織られた礼装用の袋帯と、
柔らかな染め帯で、お洒落使いをするものがあり、
後者を洒落袋(しゃれぶくろ)帯と呼びます。

*******************

初心者には名古屋帯がセオリーなのですが、
彼女は、カッコ良い洒落袋帯が気になる様子。

「え?この組み合わせ、いきなり上級者じゃないの〜」
と私。

「そうだね、初心者がポルシェ乗るようだよ」
と社長が楽しそうに笑います。
通なお客様の多い呉服屋さんらしく、
普段から洒落袋を愛用されている方も多いのだとか。

そうこうして、
「じゃ、手頃だし2本とも買いましょうか」
と落ち着きそうなところへ、
何気なく女将さんが持って着たのは・・・
白地に黒の紋様の「博多帯」。

よく見かける博多より、モダンな意匠!

友人は思わず、
「これ、、欲しい〜〜!」
とノックアウト。笑

博多帯

博多帯は、黒田藩が毎年幕府に献上したことから、
「献上博多」、「博多献上」などと称されます。
柄は、独鈷(どっこ)柄。
独鈷は、不動明王が手にお持ちになっている仏具です。
半幅帯は、浴衣に合わせる定番品。
一重の帯と、小袋帯(半幅帯)がありますが、
小袋帯は、単衣ではなくても夏に使えるものです。

でも、、この博多帯一本で、
先程まで見ていた2本の帯が買えるのです。

冷静な私は、
「じゃ、2本はやめて、これ1本にする?」
と聞きました。

友人は、結局、博多帯1本に決めました。

八掛・帯締め・帯揚げ・・・色合わせの楽しさよ!

仕立ては合わせ(裏地を付けて仕立てる)にし、
(裾裏からちらっと見える八掛の色は、
辛子もいいし、暗めの緑もなかなか味がある。
で、最終的に少し赤みを感じる葡萄色にしました。

昔なら濃紺には赤や赤茶だったのですが、
それだとかなり昭和を感じさせます。
(うちにも、あるある・・・)

次は、帯揚げ、帯締めです。

帯締めは、帯のお太鼓部分をとめる紐でもありますが、
装飾としてお考えください。

まず、濃い紫をベースに、
赤紫、白がボカシて入っているものを合わせてみました。

私もこれでよし!と思いましたし、
社長もこれがいい、と言いましたが、

ここでまたまた、女将マジック!

紫の地色に暗めのピンクがアクセントで
入っている帯締めをポン、と置かれました。

着物と帯にはどちらも合いますが、
見比べると、
シンプルでカッコいい系の友人には、
あとから持ってきたものの方が似合う気がしました。

(女将も、「権田様ならこちらですよね」
と、先にあった方をさしました。)

で、友人は、後者を選びました。

帯揚げは、あれこれ合わせましたが、どんぴしゃりの感がなく、、
女将も、
「ベージュ系が良いと思うのですが、
ありもので間に合わせることは致しません。合う色を探します!」

と、力強いお言葉。

そういうの、好きだわ〜!

そうして、採寸まで終えたら、三時間が過ぎていました・・・。

お店を出てからも
「小物であんなに表情が変わるんだね!楽しかった〜」
と興奮冷めやらぬ様子でした。

まとめ

長襦袢を採寸するとは知らなかったくらい、
ウブな友人の初呉服屋さん体験。

私も共に楽しませていただきました。

呉服屋さんの応対から、私はやはりプロとして、
お伝えすべきはきっちり伝えることの大切さを学びました。

女将さんが、着物のランクの説明を、
エルメス、Y’S、ユニクロに例えてくれたのも、
とても分かり易かったです。

友人も、
納得してお買い物ができて喜んでいます。
お誂えの楽しさを味わっていただけて
本当に良かったです。

彼女はこの日の体験を、
生涯忘れることはないでしょう。

呉服屋さんに入るのは勇気もいることですが、
紹介なり、同行してくれる
着付けの先生や和装スタイリストさんと共に、
信頼のおける呉服屋さんの懐に入って
まずはあれこれ見させていただくのが、
勉強にもなり、楽しいですよ〜^^

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